花火
- Aria Bloom
- 8月16日
- 読了時間: 2分
夜空に広がる大輪の光。
ぱっと咲いて、すぐに散ってしまう。
その一瞬の輝きに、どうしてこんなにも心が揺さぶられるのでしょう。
花火を見上げていると、ふいに思い出がよみがえります。
浴衣のすそを気にしながら歩いた夜、
屋台の甘い匂いに誘われて、
隣で誰かと肩を並べて笑い合い、同じ空を見上げたあの瞬間。
花火の輝きが消えゆく様、
この儚さは、あの頃の自分や時間の速さに似ています。
二度と同じ形では咲かない。
すぐに消えてしまうからこそ、美しい。
だからこそ心に深く残り、また味わいたい。
そして誰かと共有したいと思うのかもしれません。

誰かと見上げる花火はまぶしいけれど、
ひとりで見上げる花火のほうが、胸の奥に深く沈むことを。
夜風に吹かれながら空を仰ぐと、
きらめきは胸の奥の感情と重なり、
寂しさや後悔も、一瞬の光のように闇にほどけていく。
永遠に留めることはできなくても、
その一瞬を「美しい」と感じた心は、確かに生きている証。
夏の夜空にほどける光のように、
私たちの人生もまた、一瞬一瞬を味わう心によって輝いていくのです。
過去を美化するとも言うけれど、
良い思い出は、美しいままで在ればいい。
その心が、今を輝かせる力になるのです♡

