top of page

いまここに、ゆだねる

更新日:8月24日

ベランダの椅子に深く腰をかけて、夜空を見上げる。

熱帯夜の続く夏のなかで、今夜の風は涼しくと優しい。

頬にふれる夜風が、今日一日のこわばりをすっと撫でてくれる。



忙しさの波に飲まれる日々。

考えごとの渦に、ふと立ち止まれず――


「わたしは、このままで良いのかな」

そんな漠然とした不安が、夜の静けさにふっと浮かぶ。


「わたしの存在価値って……」

他人の何気ない言葉に、心が揺らいでしまう。


気づけば肩に力が入っていて、呼吸は浅くなっていた。

それに気づけたのは、こうして夜風に包まれたとき。



「このままで、大丈夫だよ」

そんなふうに、風がささやいてくれる夜。

「何かを変えなくちゃ」と焦る日もあるけれど、

変わらない夜の空は、何も求めてこない。


不完全なわたしも、疲れているわたしも、

いま、ここにある。そのまま、ここにいていい。

そう思えた瞬間、

少しだけ呼吸が深くなる。


理由なんていらない。

誰に認められなくても、意味がなくても、

この時間が、今のわたしを包み込んでくれる。

それだけで、十分。




いま、ここ
いま、ここ


今夜、照明を落として、

ベランダに出てみてください。

アイスハーブティでも用意して、

風の音を聞いてみてください。


そこにあるのは、誰の評価もいらない時間。

がんばらなくても、愛されている静けさ。

あなたの心を、そっとほどいてくれる風。



なにも足さず、なにも引かず。

いまここに、ゆだねてみて。

© 2025 Aria Bloom. やさしく、咲いていく日々を。

  • Instagram
  • YouTube
  • Facebook
  • Pinterest
bottom of page